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名古屋大学大学院マテリアル理工学専攻の研究室にて構造分析、組成分析、それに吸着性能を調べたところ、有望な吸着材になりうる特性を有していました。構造的に安定した安全な物質であり、自然界との相性も良いとわかりました。
さらに国立環境研究所ではこのページに記載しているだけでなく、多くの実験を行っていただきました。「有機物・有機態窒素・リン・金属類の吸着性能の実験」、「活性汚泥法における排水処理性能および添加効果」、「凝集性能およびリン除去性能を明らかにし市販される有機・無機高分子凝集剤との性能比較」などの実験をふまえて有用性を精査し、安全性も確保したバイオトップサンド®の活用法を日本水環境学会にて提案いただきました。
(公社)日本水環境学会(2014)では、貯水池を管理する自治体などの利用者に、水質浄化機能やアオコ発生抑制のメカニズムを紐付けるため、pH緩衝性試験、アオコの沈降試験、生体飼育実験を行い、バイオトップサンド®の水質浄化機能の有用性・安全性を証明いただきました。上記研究論文のほか、当社独自にバイオトップサンド®の物性試験も行っております。
バイオトップサンド®は、二酸化ケイ素(シリカ)と炭素(カーボン)、酸化鉄などが主成分です。表面積が吸着材として適切であること、表面の活性炭組成物が若干の官能基を有していることなどから、構造的に安定で、しかも安全な物質であることが分析結果からわかりました。官能基は水酸基が中心で生物のタンパク接着材などに使用されているものでもあり、自然界との相性が良いと示されました。
熱分解分析法(Py-GC)での、分析結果です。構造的に安定した安全な物質であり、自然界との相性も非常に良いと証明されたことを示すデータです。
化合物 | 分子量 | 生成比 | |
---|---|---|---|
mol% | wt% | ||
H2O | 18 | 85.0 | 71.4 |
CO | 28 | 2.9 | 3.8 |
CO2 | 44 | 12.1 | 24.8 |
愛知県一宮市浅井公園の修景池にてフィールド試験を実施しました。池入水を栄養源として微生物や植物プランクトンなどが増殖したことで池の水質が悪化しており、植物プランクトンが二酸化炭素を吸収することによって池のpHは8.8まで上昇していました。バイオトップサンド®充填層を備えたろ過装置を用いたところ、pHは7.4~8の範囲に留まりました。後日、ラボスケールで酸・アルカリでpHを変化させた水溶液にバイオトップサンド®を添加しpHの変化を確認したところ、7.1~7.8の範囲に遷移。このことから、バイオトップサンド®はpH緩衝作用を有することが判明しました。酸排水やアルカリ排水に対して、前処理工程でバイオトップサンド®充填層を介することで、生物処理可能なpHに調整できる事業展開が期待できるとのご意見もいただきました。
添加前 | 3.8 | 5.5 | 7.4 | 8.3 | 10 |
---|---|---|---|---|---|
添加後 | 7.1 | 7.5 | 7.7 | 7.8 | 7.8 |
アオコはもともと一日の間に池の表層と底層を行き来する鉛直移動を繰り返しながら増殖をすることが知られています。アオコにバイオトップサンド®を散布すると、アオコが生成する粘性物質にバイオトップサンド®が吸着し、アオコが沈降することが確認されたことから、即効性のアオコ対策として、アオコの再浮上を防止する機能を有することが、この実験によりわかりました。
バイオトップサンド®
添加後から1時間で
アオコの層が縮小
自然界でバイオトップサンド®が水質にどのような変化をもたらし、魚、貝、水生植物などの生体へどう影響し、どう関係するのかを調べました。バイオトップサンド®は、メダカにとって有害な亜硝酸を抑制する効果があり、メダカやサカマキガイなどの水中生物を元気にする効果があることがわかりました。
比較対象 | メダカ | サカマキガイ | 乾燥重量 |
---|---|---|---|
無添加区 | 16日で半数以上が死亡。28日目に全滅して実験終了。 | 水面やエアレーションでじっとしていた。 |
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バイオトップサンド®添加区 |
70日が経過しても 58%の生存率! |
大きく成長!産卵・付加して 生体数増加! |
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バイオトップサンド®は水質浄化、臭気脱臭、微生物育成、重金属吸着など多機能な微砂状の浄化材です。外観は黒色の炭化物で、中に官能基(フェノール基、カルボキシル基など)を有しており強い吸着能力を発揮します。下記の実験結果からバイオトップサンド®は活性炭とゼオライトを併せた性質を持っており工場排水、雑排水などの処理への適用が可能と考えます。バイオトップサンド®は有機性ガスの吸着や有機物排水等の処理、池や小川などの浄化処理への適用が考えられます。
バイオトップサンド®のゼータ電位はグラフのようにあらゆる水素イオン濃度領域においてマイナス電位が強く活性炭に近いものです。さらに、グラフが示すように等電点がpH3まででは見られず他の吸着材とは異なる物性を示しています。このようにマイナスのゼータ電位が大きく安定した状態では、バクテリアが活発化し生息しやすい状態となります。有効に繁殖し、バクテリアが有機物を分解しますので空気中および水中や土中での有機物の浄化が行われます。
青い点線の活性炭粉末よりバイオトップサンド®の方がアンモニアを短時間で吸着していることが見られ、比表面積データでは比較できない吸着性があることがわかります。
豚舎におけるアンモニア吸着能力を確かめるため透過吸着試験時のバイオトップサンド®でのアンモニア捕集率で、90%を超える捕集率を示しています。
バイオトップサンド®は水質浄化、臭気脱臭、微生物育成、重金属吸着など多機能な微砂状の浄化材ですが、その吸着力を実験により証明しました。
1度の濾過で約30%、2度目の濾過で20%以下まで染料を吸着しました。有機染料の吸着にも効果を発揮しています。メチレンブルー以外にも赤、緑、紫の染料にも同様に吸着、脱色します。軽い汚れなら写真のように容易に浄化されきれいになります。したがってバイオトップサンド®は、水中に溶解した重金属や有機物の吸着に威力を発揮します。
有機性排水を浄化したもので、右がバイオトップサンド®を入れたもので徐々に吸着されバクテリアが有機物を分解し浄化が行われ、透明度が増し水質が保たれます。こうした結果からバイオトップサンド®は活性炭とゼオライトを併せた性質を持っており工場排水、雑排水などの処理への適用が可能と考えます。以上から、本吸着材は有機性ガスの吸着や有機物排水等の処理、池や小川などの浄化処理への適用が考えられます。